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ベルリオーズのレクイエムに参加してきました

先日、飯田は所属する二期会からの依頼があり
ベルリオーズ レクイエムの合唱賛助出演をしてきましたので、
感想と紹介を書きます

このレクイエムはとても斬新で新しく感じました。新しいと言っても、1803年生まれのベルリオーズが34歳の時に書いた作品とのことで、作曲された年数は1837年になりますので、ヴェルディが活躍するよりも前という古さの曲です。
一体私の感覚は、何年なのでしょう?

レクイエムは、鎮魂歌 休息を願う祈りの歌、WIKIには死者の安息を神に願うカトリック教会のミサとあります。一般的に祈りの延長である事が主であるのがレクイエムという音楽であると思っていました。
例えば、モーツァルトのレクイエムは、古典ならではで、祈りを前面に押し出し、特に本人が執筆したラクリモーザの導入部分までの美しさは限りないと思います。

ヴェルディのレクイエムは、死に直面する女性の祈りをイメージする様な美しい最終曲が有名です。主人公の女性が死んでいくオペラばかりかいたヴェルディらしい
フォーレのレクイエムはフォーレの死生観?死や死後の世界は穏やかで美しいんだよと、すべての人で共有するかのような美しい楽曲



この三つが、三大レクイエムと呼ばれる曲ですが、方向性が違っても祈りを音楽に作曲しきっていると思います。今回の、ベルリオーズのレクイエムは祈りというよりも、死んだ男性が、天国を探してさまよい歩く中で天国を見つけていくような曲だと思いました

バレエなどを入れても成り立ちそうと感じるくらい、物語がそこにあるようです

今回の指揮者は、バッティストーニが練習の中でOffertorium は 現世と天国の中間を表現するシーンであって探してさまよって、なんどでも繰り返されるシーン、この曲でもそれが良く表れていると言っていましたが、私もそんな風に感じました。

動画は、小澤征爾指揮のオッフェルトリウムの部分です。なんだか一瞬とてもつまらない音楽に感じますが、曲が進んでいくと永遠にさ迷い歩く荒野を吹く乾いた風が音になってるところ、そしてその先に、光が差す・・・というのが完全に音楽になっています。

このレクイエムを全体的に通す時に指揮者を見ていると、指揮者が死んで天国を目指していくようにも見えるし、自分たちが歌っていると自分たちが天国を目さしているようにも感じるのです。
三大レクイエムが死んだ者への祈りの曲としてのレクイエムであるのに対して、この曲は、祈りよりも死後の世界そのものを追体験する様なレクイエムというか、その音楽がまるで映画のように情景をはっきりと感じさせるのです。

作品のイメージをイメージしながら歌っていくと、光が差す音楽の場所では、なぜか涙がでる程です(笑)


新宿文化センターという所が、公募の一般合唱団を集めて公演を行いましたが、テノールが少なかった様で、二期会からもテノールを中心に応援が入りました。私は、歌っていたので、演奏そのものがどういう物かはいまいちわかりません。合唱団フェリーチェでも時折、声楽家と共に歌ったりという事をしてきました。

 

コロナをきっかけに、より少人数で上手くいっても、上手くいかなくても公開での演奏の場に臨むという事もチャレンジしています。もちろん、閲覧無料の文化祭です

 

 合唱団フェリーチェは、街中の童謡教室や中学校の音楽の授業の中の合唱練習をイメ―ジして練習しながら、学校の合唱部がコンクールで取り組むような曲も練習しています。

そこにコミュニケーションが生まれ、より難曲にチャレンジするグループもあります。
(リート重唱や、オペラ重唱など)

練習するだけでいい、歌うだけでいいという需要がある一方、音楽を演奏するというのも音楽の魅力の一つであり、その先には人前で演奏する緊張感を楽しみ、集中の中で生まれる音楽を体験できるという魅力があると思います。新宿文化センターで公募した合唱団のメンバーの年齢も人数は100人近く、年齢層はフェリーチェと変わらないように思いました。公募の方々が、本番に向かってこれだけ集うのは素晴らしいなあと思いました。

コロナ禍の影響を受けた今でも、所属する人数を考えたらフェリーチェの方が沢山の方が一緒に歌っていますが、ベルリオーズのレクイエムを歌いましょう!と声をかけても、ハイ!となる人は、私たちだけではなく、世界中で少ないかと思いますが、私も含めて、この曲に出会えた方は幸運だったのではないでしょうか?

指揮者も言っていました。音楽家、そして指揮者としてもこの曲をやる事は人生の中で最初で最後だろうから、今回できて幸運だっと・・た

合唱団フェリーチェで歌うと、いつの間にか音楽の全てが学べるような内容を考慮しYOUTUBEも含めて、練習しています。音楽という言葉の意味に始まり、ドレミファソラシという音階が出来た起源
楽譜の成り立ちから始まり、音楽の歴史、キリスト教と音楽の歴史、発声の方法と知識など、ゆっくりとですが、偏る事ないように練習し共有し、いくつかは動画として公開しています。

活動としても積み重なっていくと、どうしても過去の事は振り返らなくなってしまう事もあります。

ドレミの起源や、ネウマ譜の話なんて、何度もする必要もない様に思うし、絶対音感や楽譜が苦手でも音程を取る方法なんかも、指導も動画を同じ内容で作る必要がないと思うからです。

でも、意識しないと、ただ難しくなっていくだけなんですよね💦今回の新宿文化センターの企画や、各地でも第九など、市民向けの大規模本格的公募は今後もあるはずです。

今回参加して、ベルリオーズのレクイエムの魅力を知ったのと同時に、公民館などの童謡合唱活動の様なシニア向けの活動の、誰でもすぐにできる気軽さの良さも忘れずに、より本格的に楽しく歌えて学べる会を、まだまだ、町の音楽屋さんとして工夫できる事は沢山あるのではないかと思いました。

フェリーチェで音楽を学んだり、発声や、外国語に慣れ、大規模公演に応募しても気後れしないようにはできると思うんですよね~難しい公演は、難しい公演を目指す組織に任せて、フェリーチェにできる音楽の日々をこれからも模索していきたいと感じました